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映像から時代考証まで全てフェイクの実写映画版『秒速5センチメートル』


映画館で予告(特報)を観た時から露光がおかしくて映像が汚いと思っていた実写映画版『秒速5センチメートル』が公開されましたので、割引使って1300円と2時間無駄にするために観に行きました。批判しか書きませんので、実写映画版を観て良かったと思う人はこれから先は決して読まないで下さい。

私はアニメーション映画版の『秒速5センチメートル』を公開当時の今は無き「渋谷シネマライズ」で35mmフィルム上映版を、「渋谷ライズX」でデジタル上映版を、更にIMAXレーザーの額縁上映でIMAX版を見ています。
実写映画版の予告(特報)を観た時点で悪い予感しかしなかったのですが、予告だけ見て批判するのもアレなので観に行きました。割引チケット使って1300円ですが。
予告を見た時に思ったのが16mmフィルム撮影?で画像が粗く汚く、元のアニメーション映画が映像の綺麗さを売りにしてたのにいかがなものかと思ってしまいました。フィルムグレインを生かすという意味で『夜明けのすべて』のように16mmフィルム撮影をする映画もあるのですが、16mmフィルム撮影の映画は、ミニシアターで見る分には良いのですが、シネコンの最大館など幅16m級のスクリーンで観ると、正直、解像度が足りなくてつらいんですよね。

で、メイキングムービーを観て驚いたのが16mmフィルムじゃなくてデジタル撮影なんですよ。

監督のX読んだら『16mmのフィルムレコーディングは、デジタルで撮影した映像を、レーザーや高精度の装置を使って16mmフィルムに1コマずつ焼き付ける手法です🎞️(デジタル撮影→カラーグレーディング→フィルムレコーディング→再びカラーグレーディングという工程を踏むことによって、懐かしくも新しい映像質感を実現しています)』とか書いてあって、あきれました。
16mmフィルムの質感が欲しいなら最初から16mmフィルムで撮影しろと言いたいし、映像の綺麗さを売りにしたいなら35mmフィルム撮影かデジタルなら4K撮影・上映しろと。おそらく16mmのフィルムレコーディングすることで新宿のスタジオアルタとか、カメラのさくらやとか、ロケット打ち上げとかのVFX合成のコストダウンをしたかったんじゃないんですか。
同じ時期の公開されている洋画の『ワン・バトル・アフター・アナザー』が本物のビスタビジョン(35mm8P)フィルム撮影・上映(日本で見る最も良いフォーマットはIMAXレーザーGT上映になりますが)をしているだけに、フェイクのフィルム撮影のような映画作っている日本の映画文化の貧しさを嘆くしかありません。

時代考証でおかしいシーンが何カ所かあったのですが、シナリオの根幹に関わる、おかしい内容がプラネタリウム。念のためプラネタリウムメーカーの五藤光学研究所で確認したのですが2009年の多摩六都科学館はデジタルプラネタリウムが導入されてないんですよ。
出典:五藤光学研究所 納入実績: 国内

デジタル化されたのは2012年7月7日で、2009年は光学式プラネタリウムの機械とスライドなどを組み合わせて上映する方式だったので、凄腕のプログラマーの仕事が無いんですよ。あと大型映像上映用としてウルトラ70RDというIMAXドーム用の70mm15Pフィルムが上映出来る映写機が併設されてました。この頃に首都圏でデジタルプラネタリウムを導入していたのは「葛飾区郷土と天文の博物館」とか「さいたま市青少年宇宙科学館」「千葉市科学館」ぐらいではないでしょうか。
なので、このシナリオが、この年代だと成立しないんですよね。時代考証していると明言している作品なので、しっかりしてほしいし。フェイクでしか成り立たない映画を撮影しないでほしい。

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