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ヘッドホンでは映画館の音響は再現出来ない ソニー「WH-1000XM6」360 Upmix for Cinemaを試聴してきた

ソニーの360 Reality Audio Upmix for Cinema対応のヘッドホン『WH-1000XM6(amazonアソシエイト)』2025年5月30日発売ですが、ヨドバシカメラなど大規模店では店頭デモ機が展示され、試聴できるようになっていましたので、早速試聴してきました。

出典:WH-1000XM6 特長 : 立体音響 | ヘッドホン
https://www.sony.jp/headphone/products/WH-1000XM6/feature_3.html

360 Upmix for Cinema(360 Reality Audio Upmix for Cinema)は、ステレオ2chソースの音源を、ソニーによると「ソニー独自のリアルタイム信号処理により、ステレオ音源をまるで映画館で聴いているような臨場感ある立体的な音場へ変換」する技術です。
試聴するには、スマートフォン用のアプリ「Sony | Sound Connect」が必要ですので、あらかじめiPhoneにインストールしてから行くとスムーズに試聴できます。
店頭でBluetooth接続して、アプリを立ち上げ、リスニングモードを「シネマ」に設定するだけで、360 Reality Audio Upmix for Cinemaモードになります。


他に特に設定はなく、イコライザーやDSEEの重ね掛けなど音質設定は一切出来ません。


聴いてみた感想としては、「ノイズキャンセリングヘッドホンのおまけ機能ならありだけど、360 Upmix for Cinema目的で買うのは無しだな」となります。試し聞きした感じでは、従来からあるバーチャル立体音響系のヘッドホンと対して変わらない感じです。ソニーが映画館の音と言うなら、ドルビーシネマへ行って『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』の音を聞いてこいと言いたい。
360 Upmix for Cinemaはステレオ2chソースの音源を立体音響化しますが、正確な5.1ch音場が再現されるわけではなく、迫力を出すためかエコーがかかるため、かなり好みが分かれると思いますし、音楽コンテンツは音が変わるので使えない感じです。あくまでもノイズキャンセリングヘッドホンのおまけ機能として使う感じでしょうか。

あと気になったのが、私がこの手の機器の試聴で使うステレオスピーカー再生で立体音響が楽しめるローランドの『RSS(Roland Sound Space)』方式を楽曲に採用した、PSY・Sの「Kisses」。普通のヘッドホンでも立体音響が楽しめます。この曲とWH-1000XM6のノイズキャンセリンク処理の位相処理の相性が非常に悪く、2分20秒頃からの楽器とコーラスがぐるぐると回るところがスタンダードモードでもシネマモードでも全く立体音響に聞こえませんでした。この曲が上手く聞こえないと言うことは、バーチャル立体音響系(DVDやブルーレイに収録されている音声特典でDTS Headphone:X処理された音響など)は上手く聞こえない可能性大です。





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