映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」IMAX版のマニアックな話
映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」IMAXレーザー(1:90)版を見に行って、良かったので、急遽、ソフト販売されないであろうIMAXレーザーGT(1.43:1)版を見に行きました。
「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」の予告が映画館ではビスタサイズ、前作の「ジョーカー」もビスタサイズであったので、『Filmed For IMAX』作品だからIMAXでは1:90で、通常館ではビスタサイズだろうと思っていたら、まさかの「2.20 : 1」 (70mmフィルムサイズ)で公開となり驚きました。IMAX認定デジタルシネマカメラ撮影で、フィルム撮影ではないので通常上映館で額縁上映となる可能性がある「2.20 : 1」はやめて普通のシネスコサイズで公開してほしかったところ。
IMAXレーザー版では上下拡張になるシーンが54分あり、フレーミングもIMAXレーザーのスクリーンぴったりなシーンが多いので、追加料金払ってでもIMAXで見る価値がある作品だと思います。驚いたのがIMAXレーザー版のエンドクレジット後にIMAX DMR※表示がなく『IMAX CONTENTS』という表示だったことです。4Kマスターの映画でもIMAX版はDMRプロセスを通すことが当たり前ですが、貴重なIMAX DMRプロセスなしで4Kマスターそのままの状態での上映です。
※IMAX DMR(Digital Media Remastering)
IMAX独自のリマスタリング技術。IMAXシアター用に音響の最適化。映像のシャープニング、カラー補正、ノイズの除去(画質設定によってはフィルムグレインの除去もできる)などでIMAXシアター用に画像を最適化するが、一部の撮影監督はDMRで画質が変わってしまうことを嫌い、DMRを使用しないプロセスで通常DCPよりもビットレートが遥に大きいIMAX用マスターを作成することもある。DMRを使用していないことで有名な作品は「ブレード・ランナー2049」「1917」(2作とも撮影監督:ロジャー・ディーキンス)
こうなるとIMAXレーザー版GT版が気になり、更にIMAXレーザーGT版は上下拡張ではなくスタンダードサイズにトリミングされているとのことで、急遽IMAXレーザーGT版を見るために遠征しました。
IMAXレーザーGT版を鑑賞したら、確かに上下拡張になるシーンで人物の表情を中心にトリミングされているシーンが多いことに驚きました。確かにこの映画はジョーカー(ホアキン・フェニックス)の表情が映画の表現の中心となるので、トリミングが正解なのだと思います。2回目を見ると、あの人が最初の方にも映っているのが分かったり、いろいろ発見があって面白かった。遠征して観た価値がありました。
エンドクレジット後の表示は普通にIMAX DMRでした。「1.43:1」の表示にするためには縦方向のスクイーズ加工をする必要があるので、IMAX DMRプロセスが必須なのでしょう。私の貧弱な記憶容量ではIMAX DMRプロセスありなしの画質比較はできませんが、画質を見極めたいマニアックな方は、IMAXレーザーとIMAXレーザーGTの見比べをしてみてはいかがでしょうか。
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