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クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』をどこで見るべきか

日本公開日未定。クリストファー・ノーラン監督最新作「オッペンハイマー」、米国など世界的には7月21日に公開されます。
どのフォーマットで見るのがベストか。個人的な解説です。

1.IMAX 70mmフィルム上映

クリストファーノーラン監督はインターステラー以降、一部のシーンを除きIMAX70mmフィルムで映画を撮影しています。そのためIMAX70mmフィルム上映館で見るのが最適な映画となっています。特に今作はモノクロのIMAX70mmフィルムを新開発して撮影した程のこだわりがある作品です。
残念ながら日本のIMAXフィルム上映館は鹿児島市立科学館オムニマックス(ドームスクリーンへの投影)を除き、絶滅してしまいましたので、見るためには海外旅行をする必要があります。日本上映する頃には海外のIMAXフィルム上映は全て終了していると思われますので、どうしてもIMAX70mmフィルム上映で見たい方は、今すぐ海外旅行の計画を。
私は生まれてから一度も海外旅行へ行った事が無いので無理ですが。
IMAX公式サイトのIMAX70mmフィルム上映館リスト Experience Oppenheimer in IMAX 70mm Film at Select Locations for a Limited Time(IMAX)

どうしても日本でIMAXフィルム上映が観たい場合は、ジャンボ宝くじで10億円をあてて関係各所を説得して費用を出し、鹿児島市立科学館オムニマックスの映写機を改造すると、ドームスクリーンでの鑑賞は可能です。

2.70mmフィルム上映

クリストファーノーラン監督はおそらく全編IMAXフィルムで映画を撮影したいのだと思いますが、IMAXカメラは巨大であるため、IMAXカメラで撮影が難しいシーンではIMAXカメラよりも小さい70mmフィルムカメラで撮影されます。海外では70mmフィルム上映館が現役で存在しています。
IMAX上映はシーンによって画角が違うから落ち着かなくてイヤという人は70mmフィルム上映が最も高画質な上映になります。
残念ながら日本には70mmフィルム上映を行っている通常の映画館はありません。
東京にある国立映画アーカイブに70mmフィルム上映できる設備がありますので、何らかの企画上映で数年後に70mmフィルム上映が実現する可能性があります。
なお、その際は輸入した70mmフィルムには字幕が入っていないため、字幕を別スクリーンに映す形で上映となります。。

 

3.35mmフィルム上映

日本で最も上映される可能性が高いのは35mmフィルムになります。オッペンハイマーの35mmフィルムは70mmフィルムからアナログ(光学的)プロセスによりアナモルフィックシネスコプリントが作成され、(映写がきちんと行われれば)最も70mmフィルム上映に近い色彩と解像度での上映となります。日本の映画館がデジタル上映ばかりになってから「インターステラー」「ダンケルク」が35mmフィルム上映されましたが、丸の内ピカデリーの映写が悪い、ダンケルクのフィルムに傷をつけるなどのトラブルが多発したためか、「TENET」では残念ながら日本では35mmフィルムがされませんでした。果たして、オッペンハイマーでは、日本用35mmフィルムは作られるのでしょうか?
鳴り物入りで35mmフィルム上映を導入した109シネマズプレミアム新宿が出来たので、35mmフィルム上映をしてほしいところ。

4.IMAXレーザーGTテクノロジー

IMAXフィルム上映館がない日本で、最もIMAX70mmフィルム上映に近い画角で見ることが出来るのが、IMAXレーザーGTテクノロジー上映となります。109シネマズ大阪エキスポシティとグランドシネマサンシャイン池袋の2館しかありませんので、近場の人は迷わずIMAXレーザーGTテクノロジーで鑑賞を。ただ飛行機代や新幹線の費用を払ってまで遠征する価値があるかと聞かれると微妙です。上下の視野が広くなっても目が追いつかないので、よほどのこだわりが無い人はIMAXレーザー・IMAXデジタルシアターで十分です。

5.IMAXレーザー・IMAXデジタルシアター

近場にIMAXレーザー・IMAXデジタルシアターがあるのなら、迷わずIMAXレーザー・IMAXデジタルシアターで鑑賞を。スクリーンサイズがアスペクト比1.9:1となりますが、70mmシネスコサイズとIMAXサイズの切換があまり気にならないのもメリット。
IMAXレーザーは4K、IMAXデジタルシアターは2Kプロジェクターをデュアル投影することで2.9K相当の解像度での上映となります。

6.ドルビーシネマ

クリストファーノーラン監督の映画音響は5.1chですので、ドルビーシネマで見ても5.1chです。IMAX上映はシーンによって画角が違うから落ち着かなくてイヤという人はドルビーシネマで見るのが最も高画質な上映となります。だだし、丸の内ピカデリードルビーシネマなどビスタでもシネスコでも無いサイズのスクリーンでは額縁上映となる危険性があります。

7.通常デジタル上映館

オッペンハイマーは70mmフィルムサイズの4Kマスターの映画です。今回の映画から、フラット(ビスタ)コンテナ版とスコープコンテナ版の2仕様が作られるため、日本配給会社が2仕様とも配給してくれれば、一部上映館を除き額縁上映が回避されます。一部上映館とは、丸の内ピカデリーのドルビーシネマのような最大サイズがビスタでもシネスコでもないスクリーンを張っている映画館で、ビスタでもシネスコでも余白(余黒)が表示される映画館では、映写技師が映写サイズを調整しない限り額縁上映となります。
近くに4K上映館があるのであれば4K上映館で見ましょう。2K上映館でも4Kからのダウンコンバート2K上映ですので、きれいな映像がたのしめます。

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