『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』をIMAXレーザーとドルビーシネマで見比べた
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』をIMAXレーザーとドルビーシネマで見比べたので、その感想を。
映画が面白ければ通常3D館でも見たかったのですが、あまりのストーリーのひどさに2回で断念です。
3D映画の最高峰とも言える映像の凄さなのですが、映像の凄さだけでストーリーがひどいとリピート鑑賞する気力が出てきません。
まずIMAXレーザー(Single Laser)で字幕版を鑑賞。米国では4K HFR上映されているのですが、日本・中国・インドなど映写機で字幕を合成して表示する場合は2K HFR上映になるようです。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の字幕は特別で通常の3D映画とは違い、字幕も画面の焦点に合わせて、画面の深いところや浅いところの調整された場所に表示される、見やすい字幕になっています。そのため字幕データも3D表示用に右目用48枚/秒、左目用48枚/秒の1秒間に96回の字幕合成を行う必要があり、おそらく字幕版を4K HFR(プロジェクター上は96fps)で上映するためにはパソコンで言うところのCPUとグラフィックボードを更新しないとIMAXレーザーは4K HFR上映は出来なさそうです。もしくは字幕を画像データの段階で書き込みしたDCPを制作するか。
感想は2Kソースの上映でも十分綺麗で良い映像を楽しめました。IMAXはスクリーンが大きいので視野がいっぱいになる座席を選んで見ると、映像の中に入り込んだような錯覚を覚えるシーンがあったので満足。逆に3D映画の欠点とも言える、人や物が軽く見える(人形やジオラマのように見える)シーンがあると言うのもHFRでは解決できなかったようで違和感があるシーンが残ってしまったのは残念。最新技術で3D映画で視差に違和感があって目と目の間が痛くなるシーンが全くなかったのも凄いです。映像は1.90:1のスクリーンいっぱいに表示されていましたが、DCPデータによると1.85:1のデータだそうで、ビスタサイズの映像を幅いっぱいに表示している事になります。サウンドは12chでした。
次にドルビーシネマで吹替版を見ました。初めて行く映画館でしたので、スクリーンと座席の間隔がつかめず、後ろ寄りの座席に座ってしまい残念。あと3列は前で見たかった。
ドルビーシネマ吹替版を見た感想は画質が良い、これを見るとIMAXレーザー版は2K上映で解像度が足りないと分かります(逆に言えばドルビーシネマ版を見なければIMAXレーザー版で十分、満足できると思います)。ドルビービジョンによるHDRの効果は、好みの範囲ですね。確かに月とか明るい物があるシーンは映えるのですが、高い交通費出して遠征する価値があるほどではないと思います。IMAXレーザーでも色彩は十分綺麗でした。音響はドルビーアトモス。IMAX版よりサラウンドが効いていますが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に関しては映像が主役ですので、最大音量98dBと重低音がきちんと出ていれば、5.1ch音響でも満足できるのではないでしょうか。
IMAXもドルビーシネマも近くにないと言う方は、HFR 3D版(HFR上映館も近くにないという方は通常3D版を)を視野がいっぱいになるような、いつも座っている席より前の座席(ただし3D映画ですのでスクリーンからある程度距離が必要ですので最前列はオススメできません)で鑑賞すれば十分楽しめると思います。
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