『秒速5センチメートル』IMAXレーザー版を観に行ったら額縁上映でガッカリ
『新海誠IMAX映画祭』で『秒速5センチメートル』のIMAX版が初上映されると言う事で、IMAXレーザー上映館まで遠征して観たら、額縁上映でガッカリしたので記録しておきます。
■秒速5センチメートル(オリジナル版)
秒速5センチメートルの公開は2007年3月3日、今は無き「渋谷シネマライズ」(地下)でした。
この頃はデジタル上映は普及していませんでしたので、35mmフィルム版での公開です。推定制作解像度はフルHDではなく720p(1280×720ピクセル)で、IMAGICAでデジタルデータからフィルムレコーディングが行われています。音響はドルビーステレオSR。
公開当時、シネマライズ地下まで観に行って、この頃のシネコンではない映画館は、非常口誘導灯が点灯したままの上映でしたので、せっかくの綺麗な映像が非常口誘導灯の明かりで台無しだったのを覚えています。
■秒速5センチメートル(デジタル上映版)
初公開から数ヶ月後、渋谷シネマライズ地下にある「渋谷ライズX」(閉館)などでデジタル上映が行われています。
ビクターの民生用D-ILAビデオプロジェクターDLA-G150CLを使用したミニシアターです。
公開当時、観に行って映像が綺麗だったのは覚えています。当時の上映データの解像度は分かりませんが、今思えば720pだったのかな?
■秒速5センチメートル(IMAXレーザー版)
予告が終わって、IMAXカウントダウンがIMAXレーザーのスクリーンいっぱいに上映された後に、配給の東宝のマークが出たのですが、いきなり額縁上映(しかも上映品質が悪い)でしたので、驚きました。
※額縁上映の参考写真(これは通常館のシネスコスクリーンにシネスコの映像を額縁上映した例になります)
今、上映されている「アバター 3Dリマスター」と同じように、スクリーン左右に若干の黒帯がある1.78:1ピラーボックスで上映されるものだと思っていて、まさか額縁上映されるとは思ってもいませんでしたので、映画を集中して観ることができませんでした。
額縁上映の映像も本当にIMAX DMR(※1)でデジタルリマスタリングしたのかと疑いたくなるほど低品質で、タイトルクレジットなどの画面でピンボケ感がありました。IMAXレーザーのフル画面上映(1.78:1ピラーボックス)の上映に耐えられないのであればIMAX版の上映はすべきではなかったのではないでしょうか。
念のためシネコンの責任者を呼んでもらって聞いたのですが、上映サイズの間違いではなく「IMAX社の指定により、このサイズで上映している」と言われましたので、これから720p(1280×720ピクセル)で制作された映画のIMAX上映がされる際は額縁上映か問い合わせて観に行かないとならないようです。
(※1)最後に『OPTIMIZED FOR IMAX THEATRES』『IMAX DMR』ロゴ表示がありましたので、推定制作解像度720p(1280×720ピクセル)のデジタルデータをIMAX DMRプロセスで4Kにアップコンバートが行われたと思われます。
音響もドルビーステレオの3-1方式ステレオマスターからIMAXの6ch(実際に使用しているのは5ch)ステレオにコンバートされたもののようです。
この記事の続き
→額縁上映となる可能性が高い日本アニメ映画のIMAX上映はオススメできない
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