バズ・ライトイヤー LIGHTYEAR(アンガス・マクレーン)
[2022年米国/配給=ディズニー/1時間40分/字幕=丸ゴシック縁取りあり]
IMAXレーザーGTテクノロジー 2.39 : 1 (一部1.43 : 1拡張)/4K DLP 12ch/★(1/5)
※ネタバレありで感想を書くのでネタバレが嫌いな人は読まないで下さい。
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— Pixar's Lightyear (@PixarsLightyear) June 15, 2022
◆『トイ・ストーリー』のオモチャの持ち主、アンディが「バズ・ライトイヤー」をお気に入りにするきっかけとなった映画という説明がまず表示されてから本編スタート。米国では上の公式Twitterにあるアンディがオモチャといっしょに映画館で映画を見る公式絵まであります。
米国の観客の評判が物凄く悪いのを事前に知っていたため、ドン底まで期待値を下げて観たのですが、メチャクチャつまらなかったですね。米国の観客は正直です。
「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーはスターウォーズのパロディみたいな設定で、観客はそういう映画を期待していたのですけれども、そういう設定ではない、つまらないSF映画を持って来たので失望しました。
◆どこが映画としてつまらなかったのか
1.1200人乗っている宇宙船の目的が分からない
1200人乗っている宇宙船の目的が何をするために宇宙を旅しているのかが全く分からない。だから1200人が本当のモブキャラクターでしかなく1200人のために頑張っているという姿が滑稽に見えてしまいます。
2.宇宙飛行の『ウラシマ効果』の設定をバズ・ライトイヤーが知らない設定はありえない
光の早さに近いスピードで4分間宇宙飛行すると、地上では4年が経過していたというウラシマ効果を、宇宙飛行士でもあるバズ・ライトイヤーや1200人の宇宙船に乗っている人たちが知らない設定はありえないでしょう。常識として知っている物だと思います。
3.1200人乗っている宇宙船の人たちが地球に帰る頃にはウラシマ効果で最低でも数千年以上は経過しているはず
1と2に書いたことなんですが、コールドスリープで地球から何十光年もの宇宙旅行をしている1200人の人たちが、トラブル無く地球に帰還したとしても、地球では最低でも数千年、下手したら数万年が経過しているはずなんです。SFアニメでウラシマ効果を扱った「トップをねらえ!」を見ている人なら分かりますよね。
なので、バズ・ライトイヤーが1200人を地球に戻して何をしたいのかが分からないし、この設定を雑に扱っているので面白くないんです。
4.14カ国で上映禁止になるのは仕方がない
女性カップルがキスしたので14カ国で上映禁止というニュースが流れていましたが、キスしたのは大した問題ではなく、本当の問題はキスしたその後の結果、子供が生まれている事です。あなたは女性カップルが結婚して、愛した結果どうやって子供が生まれたのか、自分のお子さんに説明できますか?おそらく説明ができないと思います。大人でも説明に困る描写をしているので、上映禁止になるのは仕方がないと思います。
5.ギャグがすべっている
植物惑星でツタの植物に何度も引っ張られるギャグがすべっている。安全なコロニー内でもツタの植物に引っ張られるようでは暮らして行けないでしょう。
6.ザーグの正体が
エンドクレジットの後にザーグが生きていて続編を作る気マンマンなのが伝わってきましたが、続編はいらない。
◆IMAXレーザーGTテクノロジーフルサイズ(1.43 : 1)40分間の拡張シーンは見事
ピクサー作品初のIMAXレーザーGTテクノロジーフルサイズ(1.43 : 1)作品で合計40分間画面が上下に拡大します。
この映像は見事で、これを見るために遠征した甲斐がありました。
ピクサーの映画はフルCGで最新の科学演算を使用して画面がレンダリングされているのですが、今回のバズライトイヤーはシネスコシーンは「仮想アナモフィックレンズ2.39:1」のバーチャルカメラで撮影(レンダリング)し、IMAXシーンは「仮想IMAXカメラシステム(65mm)1.43 : 1」のバーチャルカメラで撮影(レンダリング)という、物凄いこだわりで制作されています。それだけにストーリーがダメなのが勿体ない。
詳しくはこの記事を機械翻訳にかけて読んで下さい→How ‘Lightyear’ Took Pixar Into the Uncharted Space of IMAX(IndieWire)
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