スクリーンいっぱいの大画面が楽しめなくなってしまった映画館
大高宏雄さんのファイト・シネクラブ(キネマ旬報2015年5月上旬号)というコラムを読んで、個人的な映画離れについて思いついた事をメモ。
地方では、もう既に既存館は一掃されて、ほぼシネコン化が完了しています。
現在起きていることは、デジタル化に伴う映画館離れという感じがするのです。
新作のフィルム上映が無くなり、デジタル上映になった事で、わざわざ映画館に行く必要がなくなったというのが大きいのではないでしょうか。
昔から映画館は「でかいテレビ」と揶揄されてきましたが、まさに今、シネコンで起きている事は「でかいテレビ」以外のなにものでもありません。
映画館でスクリーンいっぱいの大画面を楽しむという事は、2015年の映画館では大変面倒な事になってしまいました。
たいていのシネコンではスクリーンサイズ調整をしなくなり、シネスコの映画をレターボックスで上映したり、ビスタの映画をピラーボックスで上映したりしているため、スクリーンの余白が黒浮きして大変気になります。
更にひどいところではビスタサイズスクリーンで、シネスコサイズの上映をするときにスクリーン下方に固定して上映する大手シネコンチェーンもあるため、スクリーン上部の黒浮きが大変気になります。
フィルムの独自の画質もなくなり、デジタル上映のギラギラした眩しい疲れる画質であれば家庭のHD画質になったテレビで十分と考える人が多いのではないでしょうか。
おまけに最近の字幕映画は丸ゴシック系のフォントを使ったものが多く、手書きの字幕で見る物こそ洋画と思っている人にはますます映画館で見る意味がなくなってきています。
もうひとつ、見たい洋画が遅れて上映されるとか、遅れて上映されてもシネコンでは1日2回夕方と夜だけ上映とか見たい時間にやっていないというのも大きいと思います。
地方のシネコンでは、この映画はGAGA配給だから時期的に遅れて上映されるだろうとか、この配給会社のはシネコンでは上映しないだろうななどど読みをして、ようやく2ヶ月後に遅れて上映されても、すぐDVD化ですから、来るのか来ないのか分からない上映を待ち、上映されてもレターボックスの中途半端な画面でしか楽しめないとなればシネコン離れ、映画館離れが起きるのも当然ではないでしょうか。
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