リアル 完全なる首長竜の日
(監督:黒沢清)
[2012年TBS・東宝・電通・ホリプロ・アミューズ・ツインズジャパン・CBC・WOWOW・Amazon Japan・MBS・烏龍舎・朝日新聞・HBC・RKB・GyaO/文化芸術振興費補助金2000万円/配給=東宝/2時間7分]
2013年6月8日/ビスタ/DCP 5.1ch/DLPシネマ上映/1200円(割引)/★/パンフレット600円
◆日本映画のダメなところを全て集めたような映画。例えるなら『熱い氷河』のような映画ですね。
ネタバレせずに感想を書くのが難しいためネタバレありで書きます。
原作(完全なる首長竜の日)未読で見ました。原作を大幅に変えているらしいので、この映画がつまらないのは完全に監督の責任でしょう。
前半は日本映画だから仕方がないかという点に目をつぶればまだ良かったのですが、後半の大失速のうえに破綻したストーリー展開には、あきれるしかありませんでした。
仮想空間で生きているんだか死んでるんだか分からない人が出てくるのですが、その人が青白い化粧をしているだけで呼吸をしているのが分かるようではダメでしょう。CGを使ってでも呼吸が全くない人にしなくては、観客がああ日本映画だなぁと感じるしかないではありませんか。
そして女医が死にそうな人に『その船に乗ってはいけない』と語りかけるシーンには大爆笑です。何がやりたいんだ女医。実は女医がラスボスでしたなら、そのシーンを入れる意味があるのですが、女医が必要以上にミステリアスに演じていて、結局何も無しって演出が悪いとしか思えません。
そして、首長竜。首長竜退治しちゃったらホラー漫画家としては、ネタが尽きて、書けなくなったのも同然ではありませんか。漫画家廃業しました。めでたしめでたし、でフォロー無しなような終わり方でいいのかと。
製作委員会15社出資の上に文化芸術振興費補助金2000万円投入して、こんなにつまらない映画を作った責任は誰が取るのでしょうか。映画の中に出てきた観覧車があるリゾート施設の廃墟のように誰も責任を取らないで終わるのでしょうね。まさに現在の日本を象徴する映画だなぁと思いました。
オフィシャルサイト:http://www.real-kubinagaryu.jp/
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