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地方崩壊の現場

母が突然ガンになったと言う。急遽、入院することになったわけだが母が住んでいる秋田県南部の市の病院には、そのガンを治療できる医者がおらず、隣の市の病院に入院することになった。
地方での医者不足が深刻になってきているとは聞いていたが、自分の親がその被害を受けることになったのだ。
出来ることなら仕事を休んでずっと付き添いをしていたいのだが、貧乏なのでそれも出来ない。とりあえず週末に病院へお見舞いに行き、手術日にもう一度、お見舞いに行くことにした。

仙台から高速バスで3時間、横手バスターミナルへ。ほぼ12年ぶりの横手駅前である。横手駅前の商業ビル「ユニオン」はパチンコ屋に変わっていて、ジャスコ横手店は潰れて1階の食品売場だけがマックスバリュ横手駅前店として営業していた。ちょうど昼前だというのに、街の中は不気味なほど誰も歩いていない。郊外の車でしか行けないようなショッピングセンターに客を奪われた結果だろうが、ゴーストタウンのような街中である(←誇張しすぎ)。そこから病院まで約1.5キロ徒歩で行ったのだが、やはり人が歩いていない。
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昔は街の中心だった場所がである。まさしく地域崩壊の真っ直中にあるのだ。
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病院へ行く途中の横手市役所の隣には「横手市ふれあいセンター・かまくら館」という、観光施設があり、人が入れる大きな冷凍庫があり、1年中「かまくら」が体験できるようになっている(入館料100円)。そこに映画のポスターが貼ってあった。「ダ・ヴィンチ・コード」である。
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秋田県は東北で最も映画館が少ない県で、まともに映画を見ようと思ったら、高い交通費かけて秋田市へ行くしかない状態である。県南では、文化会館とかの施設で行われる巡回上映しか映画を見る機会がないのだ。当然遅れて上映されるわけだが、「ダ・ヴィンチ・コード」のように公開から約3ヶ月遅れではレンタルDVDを観た方がマシという人がいてもおかしくない状態である。それでも上映されるだけでマシな方で、上映されるのは子供向けのアニメが中心で、大人向けの洋画はほとんど期待できない。
デジタル上映になれば上映コストが下がって、地方でも映画を見る機会を増やすことが出来ると言っているが、現在の配給体制を考えると望み薄である。
あと、テレビ局も少ない。秋田・青森は民放3局である。東北の他の県、岩手・山形・宮城・福島は民放4局体制なのに秋田・青森は取り残されているのだ。
それがどうした、地方なんだから当たり前じゃないかと言われそうだが、服とか本とか家電製品とかたいていの物は地方にいてもインターネット通販で何でも都会と同じ値段で買える時代なのに、文化面だけは、どうにもならないのだ。そんな文化面に魅力が無い地方に、お医者さんが来てくれるだろうか。若者が地元で働きたいと思うだろうか。
テレビで言えば、BSデジタル放送を使って、民放も関東と同じ番組を日本国中どこでも見られるようにするべき時期に来ていると思う。地方の放送局の保護のためにIP放送はダメだとか言っているが、そんなつまらない議論をしている間に地方は崩壊し、地方の民放のスポンサーになる企業は無くなるだろう。秋田で言えば地域経済が崩壊していてスポンサーが減っているのに民放テレビ局3局を維持できるわけがない。地上デジタル放送への投資はやめてBSデジタルへ一本化して、その投資は光ファイバーの整備(未だにISDN止まりという地域もある)とか、そちらへ投資すべきだ。
それで少しでも地方と都会の文化格差を縮めることが出来て、若者が都会へ出ずに地元で働こうと思ってくれれは儲け物だと思う。まあ文化格差を無くしただけで地方から都会への人口流出が止まる保証はないけれど、少なくとも都会から地方へ来る人の抵抗感を減らすことにはなる。本気で言っているわけでもないのかもしれないが「テレビ局がろくにない田舎には行きたくない」という都会人はけっこういるのだ。まあ、テレビ局が少なくても地方は「住めば都」なんですけどね。

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